大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折
読み方:だいたいこっとうなんこつかぜいじゃくせいこっせつ
症状
骨粗鬆症などによる骨脆弱性に伴って大腿骨頭の軟骨直下に発生する骨折で、歩行が困難となるほどの強い痛みを股関節に感じることが多いです。
原因と病態
現在でもはっきりとした原因がわかっていませんが、骨粗鬆症などに伴う骨の脆弱性が影響すると考えられています。ちょっとつまずく、重いものを持って歩いた後など、軽微な外傷に伴って発症することが多いとされますが、誘因がわからないこともあります。
診断
発症直後は股関節痛以外の所見に乏しく、レントゲン写真、MRIでも明らかな異常を認めないことがあります。
骨折部位が狭い場合は、骨頭圧潰が生じることなく、2~3カ月で疼痛が軽減することもありますが、骨折範囲が大きいと、急激に骨頭圧潰が進行して、急速破壊型股関節症のように大腿骨頭が短期間に消失するような場合もあります。痛みに応じて適宜レントゲン写真を撮影することで診断します。
写真は右(向かって左)の大腿骨頭が潰れてしまい、急速破壊型股関節症のようになっています。
予防と治療
原因がはっきりしていませんが、骨粗鬆症の検査と治療は有用と考えられます。
治発症早期には明らかな骨頭圧潰を生じていないため、股関節の安静や荷重制限(免荷)を行って圧潰進行を防ぐとともに、疼痛に対しては鎮痛剤を使用します。骨頭圧潰が進行して疼痛が強くなれば、手術が必要となります。手術は、高齢者に発症することが多いため、人工関節置換術が選択されることが多くなります。