上腕二頭筋腱炎
読み方:じょうわんにとうきんけんえん
症状
腕を上げようとしたり荷物を持ち上げようと力を入れた際に肩や肘に痛みが出たりします。主に肩や肘を動かす時に痛みがあります。痛みのため、あまり動かさないでいると肩の動きが悪くなる四十肩を併発することもあります。
原因と病態
上腕二頭筋長頭は上腕骨(腕の骨)の結節間溝と横上腕靭帯からなるトンネルを通ります。野球の投球動作、テニスのサーブ、バレーのアタックなどオーバーハンドスポーツをされるアスリート、トレーニングのお好きな方、重労働をされる方に多く見られます。上腕二頭筋は腕を上げたり肘を曲げたりするときにつかいます。その際にかかる、腱とトンネルでの摩擦により、炎症を引き起こします。そのため、腕を上げようとしたり荷物を持ち上げようと力を入れた際に痛みが出たりします。
診断
上腕骨の結節間溝や、肘窩部に圧痛を認め、肘を直角に曲げた状態で抵抗するように手のひらを上に向けた際に肩関節前面に痛みが出るヤーガソンテストや、肘を伸ばして手のひらを上に向けた状態で抵抗するように持ち上げると痛みが出るスピードテストなどで診断します。
予防と治療
局所の安静、投薬、腱鞘内ステロイド注射などの保存的療法を行います。また、リハビリテーションを行い上腕二頭筋をはじめ肩周りの筋肉を緩め、患部にかかるストレスを減らすことも大切です。上記の治療を4-6カ月間行って症状が改善しない場合は、上腕二頭筋長頭腱を結節間溝の中で固定する手術や烏口突起と呼ばれる箇所へ腱の走行を変える手術をすることもあります。